おつきさまの記。

不登校の話とか、教育の話とか。短歌とか。その他諸々、日々の徒然。

上を向いて歩けば、空が見える。

【詞書】

最近、空を見上げていますか。

 

総務省の平成27年通信動向調査によると、個人の情報通信機器の保有状況について、「スマートフォン」(53.1%)、「携帯電話(PHSを含む)」(35.1%)という結果が得られたそうです。スマホとその他の携帯を二台持ちしている可能性もありますが、今や日本ではおよそ8割のひとが、スマホや携帯電話を所持しているということになります。

携帯電話は便利なもので、どこにいても誰とでも連絡を取れますし、インターネットサーフィンだって思うがままです。

私も、信号待ちの時間など、ふと手持ち無沙汰になった場面で携帯を見てしまいます。メールを見たり、ネットの記事を読んだり、何をするわけでもないのですが。周囲の風景より、画面を意識して見る時間の方が長いかもしれません。

そんなわけで、空を見上げることも、少なくなってきています。

 

たまに、ふと見上げた空には、さまざまな表情が浮かんでいます。青い空に、絵の具を溶かしたようにまだらに広がる白くて薄い雲。あるいは、最近飛び始めたメジロ(のような、黄緑色の鳥)。あるいは、きれいなグラデーションになった夕焼け。

その美しさにふと目を奪われるとき、その度に、携帯の画面を見つめて視野が狭まっていた自分に気がつきます。顔を上げて広い空が見えると、視野も広がるのです。

 

そうした視野の広がりを特に感じるのが、朝です。私は、朝はだいたい憂鬱です。なぜなら、仕事に行きたくないから。

仕事は楽しいですが、休めるなら休みたいものです。できることなら働きたくないし、働くにしてもできるだけ楽にやりたい。でも、そんな楽をしてなんとかなる仕事ではありませんから、気が重いのです。職場に向かう足取りは自然と重く、足元ばかり見つめて歩いてしまいます。

 

通勤の途中に、坂道があります。最寄りの駅が高台にあるので、比較的急な坂道を下りて行きます。その坂道の上に立つと、目の前が開けて、空が見えます。

天気の良い日に、その空を見ると、少し気持ちが晴れるのです。

 

この間は、朝のすがすがしい空に、飛行機が一機、ゆっくりと尾を引いて飛んでいました。あの飛行機にもたくさんの人が乗っているのでしょう。旅行か出張かわかりませんが、朝早くからしっかり活動している人が他にもいると思うと、見知らぬ誰かと気持ちを共有できる気がします。

飛行機の行く先には、白い月がまだ浮かんでいます。青い空を背景に浮かぶ、はっきりとした白い月です。日が昇りきると姿を消してしまうそれを見られたことで、少し得をした気分になります。

そんなふうに空を見上げ、朝の憂鬱さを適当に晴らして、私の1日は始まるのです。

 

 

暁月に向かって伸びる航跡を追うようにして今日をはじめる